こんばんは。

第3回 「プレイバック・名プログラム/名勝負」です。
今回は、1996年世界選手権女子フリーを振り返ります。

1994年を最後に、オクサナ・バイウル、ナンシー・ケリガン、佐藤由香は引退し、新たな時代に移ります。翌1995年の世界選手権では、リレハンメルオリンピック銅メダリストであるルー・チェン(陳露)が初優勝し、迎えた翌年の1996年世界選手権(エドモントン・カナダ)、優勝争いは2人の選手に絞られました。

優勝候補一人目は、前世界チャンピオンであるルー・チェン(陳露)、もう一人が当時、アメリカの期待の星、ミッシェル・クワンです。共に芸術性に溢れた演技で、技術力を含め、甲乙付け難い演技でした。尚、この二人の演技、共に満点の6.0が出ましたが、最終的には、5対4でミッシェル・クワンの初優勝となります。

ルー・チェン(陳露)(1996年世界選手権フリー)


ルー・チェン(陳露)の選曲はラフマニノフのピアノ協奏曲。
フィギュアスケートでよく選ばれる作曲家ですね。
ほぼ完璧なフリーの演技ですが、細かいところを言うと、中盤のトリプル・ループのランディングでフリーレグ(着氷する足と別の足)が氷に触れているようです(ランディング時、微かに「チャリン」とエッジが氷に触れる音がします)。

ミッシェル・クワン(1996年世界選手権フリー)


一方、初の世界女王に輝いたミッシェル・クワンが選んだ曲は、「サロメ」。
当時、名作と言われてるこのプログラム、実はローリー・ニコルが振付けたプログラムです。
ローリー・ニコル自身、当時は今ほど注目されていませんでしたが、この振り付けを機に、一躍、世界の名だたる振付師となりました。また、ミッシェル・クワン自身も、この優勝を機に、以後、世界のトップに君臨することになります。

この他、本大会は、長野オリンピックを目指し、伊藤みどり選手がプロからカムバックした大会でもありましたが、調子が良くない中で迎えたフリーでは、残念なな結果となってしまいました。
尚、伊藤選手は翌年のシーズンが始まる直前、1998年長野オリンピックを目指すことを断念すると表明しています。

伊藤みどり(1996年世界選手権フリー)


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